思想・哲学・心理学
黎明期の相対主義批判 - 地下生活者の手遊びで紹介したメタミドホスにつづき、忘れ去られたギリシア哲学者を紹介する。参考文献は前回と同じく、ウヅキ一世著「西洋哲学史」民明書房刊。 ジクロルボスは紀元前4世紀、南イタリアのギリシアの植民市クロトン…
クイズのこたえ、遅くなりましたにゃー(ぺこり 18世紀エゲレスの犯罪行政 八百屋お七と少年法 - 地下生活者の手遊びという自分では気に入っているけど書きはじめのころなんであまり読んでもらえなかったエントリでもちょろっと紹介した、コリン・ウィルソン…
タイトルは「怠ける権利」に引用されたレッシングというヒトのセリフ。昨日の続きといえば続き 「怠ける権利」というプロパガンダ 蟹工船がやけに売れ、共産党新規入党者が1万人を数えているそうで、パンク・イズ・ノーデッドならぬコミュニズム・イズ・ノ…
貪欲であることはなかなかにムツカシイといえますにゃ。というのも、欲望の充足というのは、あまりにも簡単にできてしまうからですにゃ。 目の前に山海の美味珍味が広げられているとしても、残念至極なことに僕たちの胃袋はすぐにいっぱいになってしまって、…
「進化論の5つの謎 いかにして人間になるのか」という本を読みましたにゃ。 ひとことでいえば、駄本にして怪作。マニア向け。 著者の船木亨はフランス哲学者で、現在は専修大学教授ですにゃ。進化論の5つの謎―いかにして人間になるか (ちくまプリマー新書)…
単純売春は禁止されていない 例えば僕が金持ち父さんで、とある♀とねんごろになり、しかもその♀に経済的な援助をしていたとしますにゃ。いわゆる愛人というやつにゃんね。これは少なくとも法的にはまったく問題にゃーよね、純粋に私的な関係での話ですにゃ。…
24日のエントリで精神分裂病(統合失調症)診断におけるプレコックス感と臭いについて思いつきを書いたところ、幻影随想: 勘というのは、経験と理論に裏付けられた立派な才能であるというトラバをいただきましたにゃ。 というわけでトラバに応答させていただ…
似非科学ビリーバーが罵倒されるのは構わないのに歴史修正主義者や差別主義者が罵倒されるのには怒ったり失望したりする人々 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかから引用 まあ、勝手にサヨクに期待して勝手に失望している人々のことなんですが。実例を挙げるとh…
「自明」にも「自然」にも賛同できにゃー。と本当の本当に大切なことには、理由があってはいけない - 過ぎ去ろうとしない過去のブクマコメに書きましたにゃ。その理由を考えていたのだけれど。 1)「自明」と「自然」の区別はけっこう厄介 ナチの優生学は一…
にゃんか、ジンケンの話がどーだとかこーだとか。 はてなブックマーク - なんでこんな当たり前の話しなきゃいけないんだと思うけれども… - 過ぎ去ろうとしない過去 とか 「人権」っていつから信仰の対象になったんだっけ? - 想像力はベッドルームと路上から…
この記事が興味深いにゃ。 http://www.excite.co.jp/News/odd/E1221118384196.html しばらくするとリンクが切れてしまうだろうから全文引用しておきますにゃ。 [ロサンゼルス 10日 ロイター] 米カリフォルニア州サンディエゴ在住の22歳の女性が学費に…
文化相対主義に対する批判 ドーキンスの「神は妄想である」を批判した際*1、その文化相対主義批判に対しては応答する必要があると明言したんだけど、まだやっていませんでしたにゃ。 文化相対主義とはどういうもので、それに対してどういう批判があるかにつ…
事実とは知るものであり、真理とは信じるものですにゃ。 例えば、目の前にコップがあることを「信じる」とは言わにゃーよね。そして、信仰者は言うわけだ「目の前にあるコップよりも神の存在は確かなことなのだ」と。 科学とは「知」の体系であり、信念・信…
女神と権力者 ホロコーストという生死の選別とはナチの主張する「自然の鉄則」の帰結であったということは前回のエントリで述べたとおりですにゃ。 そして トリアージもまた生死の選別であり、それは「自然の威力」のまえにニンゲンが無力であることの帰結と…
http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20080812/p3#cコメント欄でのSayokというお方の発言を引用。 >CloseToTheWall あなたはここの他の人に比べるとだいぶましな反論をしてきますね。しかし、「優生学がもし学問的に正当なものとして認められるようになっていたと…
2008-08-13にも見られるんだけれども、ホロコーストとかアウシュビッツとかって、あまりにも特別視されすぎていにゃーだろうか?*1 [絶対性][神聖性][唯一性]とかいった「タグ」がホロコースト言説に貼り付けられ、そのようなものとしてデータベース化されて…
中二病に集団感染 もんのすごくアタリマエのことにゃんが 僕にとっては僕という存在は唯一無二の特別なものですにゃ。これは誰にとっても同じことで、自分という存在は誰にとっても特別なものですよにゃ。 で、僕にとっては僕が生まれた日本という国は特別な…
久々のオカルト・疑似科学ネタ 反体制運動とオカルト - 地下生活者の手遊びの続きですにゃ。 エイジ・オブ・アクエリアス 水瓶座の時代(エイジ・オブ・アクエリアス)という、主にフラワー・チルドレンとかヒッピー・ムーブメントで流行った言葉があります…
「哲学は死の練習である」とソクラテスは喝破していますにゃ。不断の思索と行動によりニンゲンは自らの魂を鍛えることができること、そして自らの死によって大いなる自由を手に入れることができるという逆説を説いているのでしょうにゃ。 ソクラテスのいう「…
連休の三日間かけて脳をアルコール洗浄していましたにゃ。昼間から飲むと疲れますにゃー。今日はもうぐったり。 先日のエントリの最後に、補足するとか書いたけど、アルコール脳洗浄の結果それも面倒になってきたにゃ。最低限の補足だけしておこ。 僕自身は…
意志に自由があるという信仰 - 地下生活者の手遊びで約束したことを書きますにゃ。 ユングにおけるタイプ論 ユングの主著のひとつにタイプ論という大著がありますにゃ。日本語版で六百頁にわたり延々と性格類型を論じた本ですにゃ。タイプ論の全体的見通しに…
この花は、まことの花にはあらず@風姿花伝 - 地下生活者の手遊びおよび一期の堺ここなりと、生涯にかけて@風姿花伝 - 地下生活者の手遊びのつづき 三十四、五 三十四、五 このころの能、盛りの窮めなり。ここにて、この条々を窮め悟りて、堪能になれば、さ…
みたび自由についてなる再反論をいただきましたにゃ。しかし、反論の呈をなしてにゃーのだが。 まず「意思*1の自由」についてにゃんが、脳内でどう考えようがそりゃ確かに自由ですね、という論点については前エントリ追記ですでに触れているんだけどにゃ。 …
風姿花伝の話は後回し。ごめんね>楽しみにしてくれていたヒト なぜ僕が公務の執行を妨害する自由は たいせつだよに我慢がならなかったかを考えてみると、そもそもあの論考で言及されていたのは僕の理解する意味合いにおける「自由」の概念とは何もかかわり…
公務の執行を妨害する自由は たいせつだよが我慢ならにゃー。ブクマコメントもつけたけど、こちらでも書いておくにゃ。 他人が「めいわく」と感じようが 感じまいが、他人に危害をくわえることになろうが なるまいが、わたしの行動は、わたしにとって可能な…
にゃんとなく気になっていた記事をメモ代わりに。 ちょっと前の記事なんだけど、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000038-mai-int これについて、ある程度情報がえられる日本語記事は、僕の貧弱な検索能力で見つけられたのは、 「妊娠協定」? …
「ノーベル賞受賞者の精子バンク---天才の遺伝子は天才を生んだか---」(原題 The Genius Factory)を読みましたにゃ。書評というより、感想と連想にゃんね。ノーベル賞受賞者の精子バンク―天才の遺伝子は天才を生んだか (ハヤカワ文庫NF)作者: デイヴィッド…
この記事は沖縄戦終結とされた6月23日にあげるつもりだったんだけど、うっかりしていましたにゃ。まあ、今日25日は沖縄戦の組織的戦闘終了が発表された日ということで。 剥奪の結果としての子殺し - 地下生活者の手遊びで引用したとおり、進化心理学的にみ…
昨日のエントリで紹介した人間開発指数、人間貧困指数がありますにゃ。UNDP(国連開発計画)の使っている指標について、僕が検索したなかではもっともわかりやすい記述がなされていると判断したので紹介しましたにゃ。論理的に書けているし、目のつけ所も悪…
ジュー&マリーの「戦後日本の殺人の動向」におけるもうひとつの論点は、日本においては実の母親による嬰児殺しが多く行われていることでしたにゃ。 では、以下にサマリーを ハミルトンの血縁淘汰の理論によれば*1、同祖遺伝子を共有する血縁者間には協力行…