オカルト

「ありもしないものを見る」のが人間@京大霊長類研シンポレポ(後)

では前回のつづき。チンプの知的能力について。 チンプの記憶力 タッチパネルを使ったチンプの記憶力テスト。画面のランダムな位置に、1〜8までのアラビア数字が映し出される。すると、チンプは1から順番に手つきよく画面をタッチして消していく。つまり…

世間様から公共圏へ

自由科学の価値について - 地を這う難破船 世間と個人の尊厳 「「わたしたち」ひとりひとりが、みな互いに代替のきかにゃー存在である社会」「このような社会では「私はあなたに要求する」がでかい意味を持つといえますにゃ」それをムラ社会と言うんです。そ…

自由科学と真正性の水準

美人投票の果てに - 地を這う難破船 ローチの議論を検討するにあたり、ちょっちハーバーマスから離れますにゃ。 長くなっちゃったよ。 価値は知識についてくる ローチの議論は差別的な言説に対してきわめてラディカルな「観点」「立場」に立っている。いかな…

複合する困った善意の1事例

ちょっとひといきついて他の話題を よくガキをつれて遊びにいっている公営の子育て支援センターには、ママさんたちの自助サークルのチラシなんかがおいてありますにゃ。もちろん結構なことにゃんね。 で、 その中で僕と相棒がまえまえから注目していたママさ…

呪術教団化するホメオパシー

反社会カルトとしてのホメオパシー - 地下生活者の手遊びの直接のつづき。 特定病因論 特定病因論というコトバがありますにゃ。このコトバを説明している論文*1から引用いたしますにゃ。 医療思想史的にみれば、特定病因論はここ1世紀あまり前に支配的とな…

反社会カルトとしてのホメオパシー

タイトルは釣りでも煽りでもにゃーです。読めばわかる。 トップダウン 感染パーティーは対岸の火事ではない - Skepticism is beautifulで紹介されている【感染パーティ】にゃんが、これはホメオパシーをかじった親が中途半端なホメオパシーの知識で行ったこ…

自然科学と呪術のイチバン大切な違い

A)僕たちはありもしないものを見る 【呪術は全面的な因果性をその公準とする】ネタの続きというか補足というか。 僕たちはランダムなパターンの中に何らかの意味を見出すような心性を生まれつき持っているようですにゃ。インチキやプリントミスでない心霊…

派遣村叩きに見られる呪術思考(追記アリ

「派遣村」にジミンのおっさんが出かけて、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まってきているのか」と呆言し、公的に叩かれているけれど、ネットのある部分ではとても擁護されているとかにゃんとか。 2chとか やふのコメントとか直接見ると頭に…

鏡に映った桃太郎はドロシー@オズの魔法使

家の4歳児向けに「オズの魔法使」DVDを購入しましたにゃ。安いやつ。 で、見てみたらびっくりしたのでエントリにしますにゃー。 何がびっくりしたかって、日本の昔話である「桃太郎」との細部に至るまでの反転・変換がなされていたことですにゃ。ググっ…

憑きものというスティグマ

小松和彦「憑霊信仰論」をテキストにして、呪術思考で富の偏在などを説明するという例を以下に示しますにゃ。憑霊信仰論 妖怪研究への試み (講談社学術文庫)作者: 小松和彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/03/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 15回…

勉強のできる子には犬神が憑く

これで学歴社会なの? 最近、電車の中で中学生がこんな会話を交わしていました。 「頑張って東大に入れたとしても、親が土地を持っている奴らにはどうせかなわない」 「そうだ。人生ってばからしいよな。」 中央公論編集部編「論争・中流崩壊」の冒頭で紹介…

ふしぎなことに

今日からあたらしい1年が始まるのだそうです。 どうやら僕たちは、連続しているもの・繰り返すものに区切りをいれて、 名をつけたり水に流したりせずには生きていけない生き物のようです。 繰り返しのなかで、何かが変わるのだと思いたいのかもしれません。…

戦死者の霊のいない沖縄を宜保愛子が行く(追記で応答

hirokiazuma.comのブクマコメにも書いたんだけど、どうやらイースト氏はアウシュビッツでは霊を感じたけど、南京では霊を感じなかったということらしいにゃ。ポストモダンというだけでなく、スピリチュアル系でもあったということで、イースト先生と呼ばせて…

自己責任という呪術

http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20081126/1227713875を読んで 自己責任は万能 逃げるような男の子供を産むことに責任がある のであれば、母子家庭に対する支援策はいっさい不要にゃんね。 同じ理路で、典型的な通り魔犯罪以外の犯罪被害者を救済する必要もに…

ニンゲンは賭けをする。そのとき科学は宗教になる。(追記アリ

とりあえずは荒っぽくメモがわり。 知と信 目の前にコップがひとつあるとしますにゃ。ここで、僕たちは目の前にコップがあることを【知って】いるわけですにゃ。このとき、目の前にコップがあることを【信じて】いるとは言いませんよにゃ。 つまり 知ってい…

世界は中二病パンデミック

中二病に集団感染 もんのすごくアタリマエのことにゃんが 僕にとっては僕という存在は唯一無二の特別なものですにゃ。これは誰にとっても同じことで、自分という存在は誰にとっても特別なものですよにゃ。 で、僕にとっては僕が生まれた日本という国は特別な…

クリスタルはアクエリアスの劣化コピー

久々のオカルト・疑似科学ネタ 反体制運動とオカルト - 地下生活者の手遊びの続きですにゃ。 エイジ・オブ・アクエリアス 水瓶座の時代(エイジ・オブ・アクエリアス)という、主にフラワー・チルドレンとかヒッピー・ムーブメントで流行った言葉があります…

科学は歩む、オカルトへと続く全体論の道を

昨日のエントリで紹介した人間開発指数、人間貧困指数がありますにゃ。UNDP(国連開発計画)の使っている指標について、僕が検索したなかではもっともわかりやすい記述がなされていると判断したので紹介しましたにゃ。論理的に書けているし、目のつけ所も悪…

加上説

孔子伝でちょっと面白かった話。 墨家の信奉する神が洪水・治水神である 禹 であったことは孔子伝書評のエントリで触れましたにゃ。 ところで、中国神話における聖王といえば 堯、舜、禹 ですよにゃ。 これって、孟子が 禹 の前に 堯、舜 がいるのだという、…

リアルな輪廻

孔子伝が面白くて長々エントリ書いてられにゃーので小ネタ。 昨日のエントリのコメント欄で、ありもしない始源とか、ニンゲンはどうも自分に都合のいいことばかり考えるという話があって、そこから連想した話ですにゃ。 手塚治虫の「火の鳥 鳳凰編」で仏師茜…

反体制運動とオカルト

「護憲運動」のお歴々が9.11陰謀論に感染していて困ったもんだという話がありますにゃ。そのあたりの事情がよくまとまったものとしては、「陰謀論系ニセ科学批判」の可能性について - 玄倉川の岸辺なんかがありますかにゃ。 僕は政治的には民族派アナキスト…

僕は死にましぇーん

追加というかにゃんというか エリアーデの「オカルティズム・魔術・文化流行」を読んでいて次のような一節がありましたにゃ(P63) いかなる伝統的文化においても、死が祝福と見なされることはない。それどころか、古代的社会では、いまだに人間の永遠性の観…

よき魔法とよき魔法がもたらすもの

なんで孔子を論ずる上で魔法の話がでてくるかなんだけど。 もうきづいているお方もいるだろうけれど、例えばこういうことですにゃ。 『論語 衛霊公篇』の書き下し文と現代語訳:1から引用 子曰く、無為にして治むる者はそれ舜か。夫れ(それ)何をか為さん…

魔法の真の力

昨日および一昨日のエントリの続き サイエンスライターの森山和道氏が、各分野での科学者にインタビューをするという内容のNetScience Interview Mailというメルマガがありましたにゃ。この内容が公開されているのがNetScience Interview Mail Home。けっこ…

万物照応

ニンゲンとは魔法が使える生き物であるに寄せられたprotein_crystal_boyのコメントに 「言葉の魔法に関しては、人間関係の知識というかそういう思考パターンの自然を含む世界への投影という面もあるんだろうね。」というのがありましたにゃ。 また、受信した…

パターナリズム方式医療制度改革案

2008-04-24を読んで思いついた医療制度改革ネタ。あくまでネタね。 西洋医学だって、200年前は魔術とあまり変わらなかった。確かに「魔術」には癒す力があり、医師もその力を使っている。最近では、うっかり「大丈夫」と言うと後で大変な目に遭うかもしれな…

自分の手を汚せ

昨日の続きをあげようかと思っていたけど予定変更。 例の光市事件差し戻し判決についてネットでぶらぶらしていたら、いろいろと頭にきたにゃ。きっかけはamakiblog.com - このウェブサイトは販売用です! - 政治活動 リソースおよび情報。以前の選挙でいろい…

ニンゲンとは魔法が使える生き物である

魔法というものを 呪文を唱えるほかに何もしないで、自分の希望を実現する方法 と定義するのなら、僕は魔法が使えるのですにゃ。 無論、呪文は正しい呪文でなければならず、正しい呪文を唱えられるようになるためにはそれなりの修業が必要ですにゃ。また、呪…

チンパンジーの子殺しとカニバリズム(4

チンプの子殺しとカニバリズムについて、伊谷氏は以下のようにいっていますにゃ。P678 わたしはこれは一種の儀式ではないかと思っているんです。カニバリズムはオスたちの連帯の象徴として行われる行為ではないのか。そうしてみると、カニバルの犠牲者は、…

科学と呪術:「啓蒙の弁証法」より

3月31日のエントリの続き。 なんでスピリチュアルが流行るのかというお話の続きですにゃ。 レヴィ=ストロースは呪術的思考について、ニンゲンの「知覚および想像力のレベルにねらいをつけ」たものだと言っているのは前回のエントリの通りですにゃ。ニン…