「妊娠協定」の可能性

にゃんとなく気になっていた記事をメモ代わりに。
ちょっと前の記事なんだけど、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080621-00000038-mai-int
これについて、ある程度情報がえられる日本語記事は、僕の貧弱な検索能力で見つけられたのは、
「妊娠協定」? - キリンが逆立ちしたピアス

Pregnancy Pact --妊娠協定--について | 温井ちまき ブログ
でしたにゃ


アメリカン味噌SOUPに、今回の出来事の背景が述べられていますにゃ


大学教授に、私は聞いた。「でもいったいなんで十代の女の子が子供を産みたがるんでしょうか?何を考えてるんでしょうか?」と。


そしたらその教授は「理解しにくかもしれないけれど」と言いながらこんなふうに説明してくれた。
ティーンの彼女達、貧しい家庭・崩壊した家庭の出身で、親や周囲から愛情を受けて育っていないことが多い。そういうコのマインドセットでは、自分で赤ちゃんをつくれば、自分を愛してくれる・自分が愛せる対象がみつかる。だから子供を産もう、となる。愛情を求めてるコが本当に多いんだ、と。


さらに教授は続けた。


ほら、例えば、映画「JUNO」なんかも十代の妊娠をポジティブにとらえているでしょ。ここ数年、セレブの間では出産ラッシュが続いている。私が記事書いてる時も、ジェイミー・リンがロスのなんとかいうショップにベビー用品の買い物に行って、こんなの買った、という記事がたまたま「ピープル」誌に載っていたのだ。そういうの見ると、いいなあ、って憧れる。さらに、学校の同級生に赤ちゃんができたら周囲が特別扱いしてくれる、ベビーシャワーやってくれる、赤ちゃん用ギフトをもらえる…自分がセレブリティ・トリートメントを受けられるのだ。


そんなことで、って思うかもしれないけど、本当にそうなんだ、と教授は言ってた。で、深く考えずに出産を選ぶ。


育児をしていく心構えとか、どうやって生活を成り立たせていくかということについての現実的な考察がそこにはまったくない。ジェイミー・リンは芸能人で金持ちだからばんばか高価なベビー服を買えるが、自分達はそうじゃないことまで考えが及ばない。結局、学校はドロップアウトして満足に子供を育てられない、貧困な母子家庭が増えていく。


ガキを欲しがる動機って、こういうものではにゃーのだろうか。ガキが欲しいなんてのは、結局のところわけのわかんにゃー動機なんだと思う。彼女らの場合は、ガキが欲しいという動機の根っこにあるわけのわからなさがプリミティブに出てきちゃっているだけのような気もするのですにゃ。
で、問題は彼女らがどうやら後先を考えてにゃーように見えるというところだにゃ。
「結局、学校はドロップアウトして満足に子供を育てられない、貧困な母子家庭が増えていく。」


ただね、僕はこの「協定」というところにひっかかりますにゃ。剥奪の結果としての子殺し - 地下生活者の手遊びでも触れたけれど、♀が単独で子育てする場合、社会的サポートが受けにくいわけですにゃ。メリケンでは日本よりはずっとマシだとは思うんだけど、それでもいろいろと生きがたいことは予想できることですにゃ。
で、気になるのはこの「協定」の中身ですにゃ。font-daも書いているとおり、この協定の中身はまるでわかんにゃーのだが、そこを妄想してみますにゃ。


もし、この協定が子育てコミューンのようなものを目指しているのなら、あるいは結果的に子育てコミューンのようなものになっていくのなら、ちょっと面白いかもしれにゃー。17人の♀が、乳児のころなら1人あたり3人の面倒をみれば、10人は外へでて働くことができるよにゃ。少し大きくなれば、1人の♀で5〜6人の子供の面倒を見れば、13〜4人がその間働いたり勉強できたりするにゃ。そこそこの収入を得たりキャリアをつむことは可能なのではにゃーのか? わけのわかんにゃー♂とつがいになるよりもマシかもしれにゃーぞ。
妊娠をあるていどコントロールできるようになり、かつ♀にもある程度は職業選択の自由がある現代においては、同年齢の♀が集まって♂とつがいにならずに子育てコミューンを作るという戦略はありえるのではにゃーだろうか。


ま、あくまで僕の願望のはいった妄想だし、今回の場合には地元のカトリック教会が足をひっぱりそうな気がするけどにゃ。


あと、これもアメリカン味噌SOUPから


アメリカの学校での性教育には、「“abstinence-only (禁欲のみ)”性教育」と「comprehensive(総合)性教育」とがある。前者はや避妊法や安全なセックスをするための知識など生殖に関する知識は一切教えない。とにかくひたすら、結婚するまでセックスしたらダメ、とだけ指導する。後者はその逆で、性に関する様々な知識を教える。


校長や先生がどう考えてようと、助成金をもらえる「禁欲のみ教育」をするしかない、というのが多くの学校の現状だ。


いわゆる「宗教保守派」に言わせれば、生殖に関する実践的知識を教える総合性教育こそが、国家による生殖への介入ということになるのかもしれにゃーと思った。