書籍

「表現の自由を脅すもの」書評

表現の自由を脅すもの (角川選書)作者: ジョナサンローチ,Jonathan Rauch,飯坂良明出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1996/09メディア: 単行本 クリック: 59回この商品を含むブログ (22件) を見る 公共的批判の原理 id:takanorikidoから読むようにすすめられ…

国家は失敗する、市場も失敗する

某掲示板でだいぶ前にお奨めしてもらった「市場対国家」を読みましたにゃ。市場対国家―世界を作り変える歴史的攻防〈上〉 (日経ビジネス人文庫)作者: ダニエルヤーギン,ジョゼフスタニスロー,Daniel A. Yergin,Joseph Stanislaw,山岡洋一出版社/メーカー: 日…

ゴルギアスの「真っ当な幻惑」

追記して改題しました 白水社 文庫クセジュの「ソフィスト列伝」を楽しく読んでいるんだけど、ごくごく個にゃん的に驚愕した記述があったんでメモ代わりに。ソフィスト列伝 (文庫クセジュ)作者: ジルベールロメイエ=デルベ,Gilbert Romeyer‐Dherbey,神崎繁,…

リスク管理の主体は誰であるべきか?(追記アリ

リスク学入門1という本を読みましたにゃ。 このシリーズは、法学・経済学・社会学・科学技術の各方面からリスクを考えるものですにゃ。第1巻は総論であり、法学・経済学・社会学・工学の各学者の座談会を冒頭に収録してありますにゃ。 堅実な論調になって…

一切合財怠けよう、恋するときと、飲むときと、怠けるときをのぞいては

タイトルは「怠ける権利」に引用されたレッシングというヒトのセリフ。昨日の続きといえば続き 「怠ける権利」というプロパガンダ 蟹工船がやけに売れ、共産党新規入党者が1万人を数えているそうで、パンク・イズ・ノーデッドならぬコミュニズム・イズ・ノ…

進化論関連で、怪作がまた1冊(追記アリ

「進化論の5つの謎 いかにして人間になるのか」という本を読みましたにゃ。 ひとことでいえば、駄本にして怪作。マニア向け。 著者の船木亨はフランス哲学者で、現在は専修大学教授ですにゃ。進化論の5つの謎―いかにして人間になるか (ちくまプリマー新書)…

妖怪、人間あまり無理しちゃいかんと語る

昼飯をときどき食べに行く職場近くのラーメン屋に、水木しげるの「ヒットラー」がありましたにゃ。30年以上前に「漫画サンデー」で連載したものが復刊したものらしい。劇画ヒットラー作者: 水木しげる出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2003/02/01メディ…

快便のためにトイレに常備すべき10冊

トイレは洋式に限りますにゃ。和式は足腰に負担がかかってゆっくり本を読んでいられませんからにゃー。活字はウンコの友だよにゃ。 同じようにしているお方も多いだろうけれど、わが家にもトイレに小さな本棚を置いてありますにゃ。で、トイレ文庫に常駐する…

切っても切れぬ生殖と愚行の関係(追記あり)

「ノーベル賞受賞者の精子バンク---天才の遺伝子は天才を生んだか---」(原題 The Genius Factory)を読みましたにゃ。書評というより、感想と連想にゃんね。ノーベル賞受賞者の精子バンク―天才の遺伝子は天才を生んだか (ハヤカワ文庫NF)作者: デイヴィッド…

虐待・共依存、そして自由からの逃走

虐待の問題をもうちょい突っ込もうと思って、いわゆる共依存(co-dependency)の話を調べておりますにゃ。共依存については、ウィキによると未だ学術用語とはいえにゃーようだけれど、極めて重要な概念であると僕は思いますにゃ。 共依存と虐待に関する書籍…

孔子伝・書評(2

第四章 儒教の批判者 批判とは自他を区別することである。それは他者を媒介としてみずからをあらわすことであるが、自他の区別がはじめから明らかである場合、批判という行為は生まれない。批判とは、自他を包む全体のうちにあって、自己を区別することであ…

孔子伝・書評(1

孔子伝 (中公文庫BIBLIO)作者: 白川静出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/01/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 36回この商品を含むブログ (62件) を見る静タン(白川静)の孔子伝をたいへん面白く読みましたにゃ。 特に、第二章 儒の源流 と 第…

「神は妄想である」書評(3

前回のエントリでは、ドーキンスは疑似科学批判を「超自然的なもの」一般批判にすり替えているという幼稚な詐術を指摘しましたにゃ。さらに今回も別の形での幼稚で反知性的なスリカエを指摘したく思いますにゃ。 第8章 宗教のどこが悪いのか? なぜそんなに…

「神は妄想である」書評(2

検索をしてみると、「神は妄想である」に好意的な批評が多くて驚愕しているんだけれども、もし本書を読んでドーキンスの言い分のおかしさに気づかずに「ドーキンスマンセー」という態度をとるニンゲンがいたら(懐疑主義者などと自称する者にも本書を絶賛す…

「神は妄想である」書評(1

神は妄想である―宗教との決別作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/25メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 257回この商品を含むブログ (185件) を見るメリケンの不寛容な無神論者についての議論の補足として、…