体長10メートルのゴキブリは人類の天敵たりうるか?

http://tkido.blog43.fc2.com/blog-entry-503.htmlで紹介されている、進化と酸素濃度の話は興味深い。じゅうぶんアリだと思うんだけど、専門家の評価はどうなんだろにゃ。
ところで、引用したエントリにある

  • 石炭紀ペルム紀初期は現在以上の高酸素。昆虫が大きくなれたのもそのため。有名な巨大トンボを現代に連れてきたらたぶん酸欠になる。

という記述を読んで思い出したことがあるにゃ。


僕は小心者で、ホラーものが怖い。怖いので嫌い。巨大生物モノ、巨大昆虫モノが特に怖い。
虫にキャーキャーいって逃げるわけではにゃーのだが、奴らはナニ考えてるかわかんにゃーので不気味ではある。トンボの尾の先を口のところにもっていくと、奴らは自分の尾の先から腹をむしゃむしゃ食いますよ。アリとかハチとか、真社会性昆虫のファッショぶりはニンゲンの及ぶところではにゃーですよ。複眼は宇宙生物の証にちがいにゃー。
しかも昆虫はすごい運動能力ではにゃーか。学研の「科学」にも書いてあったにゃ。アリは体重の何十倍の荷物を運ぶだとか、ノミの体長が1メートルあったら東京タワーもひとっとびとか。あげくのはては「体長2メートルのカマキリはアフリカゾウを捕食するだろう@バキ」とかいう話までありやがるしにゃ。
こういう奴らがでかくなったら、ニンゲンはとてもかないませんにゃ。
体長10メートルのゴキブリは、素早く動いてニンゲンを捕食し、空まで飛ぶ人類の天敵になるであろう。ひいいい。ゴキに捕食されたくにゃーよー(泣。


ところが、この恐怖は初歩的なカガクの知識(カガクというのすらおこがましいけど)で払拭されたわけにゃんね。
生物の出せる力というのは筋肉の面積に比例するので、体長が2倍となれば筋肉の面積はその平方=4倍となり、体重はその立方=8倍となるので、運動能力が維持できるわけがにゃーのだった。X倍の大きさになれば、運動能力は1/Xに劣化するのだにゃ。
それどころか、一般に構造の強さは面積に比例するから、X倍になれば構造的な強さも1/Xに劣化。ある程度以上大きくなった昆虫は、外骨格では体構造を維持することができずに自重で押しつぶされてしまうでしょうにゃ。
さらに、X倍になった場合、必要になる酸素は容量に比例するからXの立法倍になるはずだけれど、酸素を取り入れる能力はXの平方倍にしかならにゃーので、酸欠になってしまうことになりますにゃ。


というわけで、体長10メートルのゴキブリは、重くてピクリともできにゃーどころか自重でバキバキに崩壊し、さらには呼吸すら満足にできずにすぐに御陀仏ですにゃ。ああよかった。