リアルな輪廻

孔子伝が面白くて長々エントリ書いてられにゃーので小ネタ。
昨日のエントリのコメント欄で、ありもしない始源とか、ニンゲンはどうも自分に都合のいいことばかり考えるという話があって、そこから連想した話ですにゃ。


手塚治虫の「火の鳥 鳳凰編」で仏師茜丸が死ぬシーンがありますよにゃ。
そこで茜丸は死の間際に火の鳥を見て、「生まれ変わって火の鳥を彫るんだ」と思うんだけど、火の鳥茜丸に「お前はもう未来永劫人間に生まれることはない」と告げますにゃ。虫や鳥や魚やミジンコになるけど、もう人間にはなれにゃーのだと。
輪廻思想において、生物のどういう範囲が生まれ変わりの対象になるかわかんにゃーのだが、微生物まで含めるのだとしたら、脊椎動物に生まれ変わることすら宝くじで3億円あたるどころではないほどの僥倖といってもいいでしょうにゃ。


テレビ見てにゃーからわかんにゃーのだけど、スピリチュアリズムはとりあえず下火だとか。まあ国民様が合理的思考をするようになったからでなく、単に飽きられたんだろうけどにゃ。
この手の「生まれ変わり」ネタを見聞するにいつも不思議に思いますにゃ。
「なんでこうも必ず、前世が貴族だの芸術家だの聖職者だのばっかりなんだ?」


ニンゲンはニンゲンに生まれ変わるという前提があるらしいから、それを受け入れたとしても、圧倒的に多いのは奴隷とか農民とかなんでにゃーの?
「あなたの前世は、スリをやって捕まって吊るされた浮浪児でした」
「あなたの前世は、飢え死にした百姓でした」
「あなたの前世は、伝染病にかかって生きたまま焼かれた売春婦でした」
前世絡みであれば、せめてこれくらいのリアリティが欲しい。


さらに、生まれ変わりの範囲を全生物に広げてさらなるリアリティを獲得してほしいにゃ。
「あなたの前世は、孵化して海に帰る途中でカニに食われたアカウミガメです。すごいじゃないですか、脊椎動物ですよ。」
「あなたの前世は、セミクジラに食われたプランクトンです。よくグリーンピースなんてやってますな。」
「あなたの前世は、黄色ブドウ球菌です。まな板についていたのを除菌されました」
「あなたの前世は、皮膚病で生き腐れて死んだ野良犬の腸内細菌です」
・・・・これなら僕は支持するぞ。多分、まったく受けにゃーだろうけど。