米軍というブラック企業


相棒が働き始めましたにゃ。このご時世に正社員採用でもぐりこめて慶賀の至りにゃんな。だいたい定時で帰してくれるのはよいのだけれど、隔週土曜で仕事もあるし、朝は早いしで、今はペースをつかまなきゃならにゃー。当然ながら僕も家事分担が適正配分され、なかなか長い記事など書いていられにゃーのだ。
たまった宿題は暇をみつつやっていくしかにゃーようだ。


さて
今朝、テレビで米軍のアフガン増兵の話をしていましたにゃ。イランでやったのと同様の市民に紛れたゲリラ狩りを、アフガンでも今後大規模に行う予定とのこと。
戦争で心をこわしてしまう兵士については、ベトナム戦争以来の問題となっているけれど、今のメリケンでもやはり兵士の精神面のケアが問題となっていますにゃ。先月には、メリケンの陸軍基地で、こともあろうに精神科担当の軍医が戦地に派遣される前に銃を乱射し、12人死亡31人ケガという事件がおきてショックを与えていますにゃー。

で、
今朝のテレビ番組(番組名もテレビ局も覚えてない)では、アフガンへの増兵に際し、米軍における課題として兵士の精神面をどう考えていくかという話をしていましたにゃ。そりゃそうだよね、と思ってみていたらその解決の方向性として

  • 心の痛まない兵士

とかいうことらしい(正確に「心の痛まない兵士」だったかの自信なし。こういう内容だったはずではある)。カウンセリングなどを充実させつつ、精神面を鍛えるのだそうですにゃ。朝っぱらからいやーな気分にさせていただきましたにゃー。


イラン市民などに対する米軍の無茶ぶりはよく知られているけれど、市民に銃を向けることに抵抗を感じるまともな感覚の兵士だってけっこういるだろうにゃ。で、そういうまともな奴から心をこわしていくんだろうけど。はっきりしていることは、兵士のおかれた状況がまともでにゃーってことだ。
精神を鍛えて、まともでにゃー状況に対応させようってのは

これですか?↑


そういえば、ブラック企業と軍隊は似ている。
どちらも、貧しいものを構造的に搾りとるものですにゃ。


ブッシュ大統領は昨年七月、米国市民権をもたずに米軍に所属している外国出身の兵士にたいして市民権獲得の手続きを簡素化する方針を打ち出しました。


 米軍は、市民権を得て大学に進学し、人生を豊かにするには軍隊が一番の早道だと、中南米系の若者を誘っています。入隊勧誘のために高校を回る軍関係者は、大学卒業までの奨学金支給をえさに、貧しい中南米出身の高校生を獲得しようとしていると報じられています。


 米紙が報じる米国防総省の資料では、現役の米軍兵士百四十万人のうち、ほぼ3%にあたる約三万七千人は市民権をもたない外国系兵士。海軍のホームページではスペイン語で「海軍。君の人生にアクセルを」との呼びかけが出ています。


 過去十年間で中南米系の入隊者は三割増加したともいわれています。


 しかも、中南米系住民組織の調査によると、登録されている米軍兵士の中で中南米系は9・5%にすぎないのに、実際に銃をとって戦闘にかかわる任務についた兵士の割合は17・7%にも達しています。「イラク戦争に反対するラティーノ中南米系住民)たち」の代表カルロス・モンテス氏は「私たちの仲間の若者を連れていき、戦争させるのは、人種主義的な戦術だ」と厳しく非難しています(米アリゾナ・リパブリック紙四月三日付)。


 「市民権獲得や大学進学資金のために多くのラティーノ中南米系の米国在住者)が、入隊を決意し、優先的に最前線に送り込まれている。戦争の口実だった大量破壊兵器についての情報さえうそだったのではないかといわれている。不正義の戦争のために、弱い立場の人々が真っ先に犠牲にされるのは絶対におかしい」−モレノさんの友人、スラシ・ロメロさん(19)は、ブッシュ政権に怒りをぶつけました。


中南米系米兵 イラクで犠牲に/市民権獲得、奨学金で誘う/「不正義の戦争のために…」友人ら米政権批判


引用記事は2003年のものにゃんが、不況により状況が深刻になるのはビンボー人であり、今はさらにマイノリティがその多くをしめる経済弱者が戦地に送り込まれることになっていると考えられますにゃ。従軍することで市民権が得られたりと、貧しい移民にとって軍隊に入ることはなかなか避けられにゃーものとなっているようですにゃ。
で、ビンボー人の頬を札束でひっぱたいて戦地に送り込み、市民に銃を向けても痛みを感じないように精神を鍛えさせるわけですにゃ。もちろん、金持ち様のご子弟が前線に送られることなんてまずありえにゃーのは、命令書には書かれにゃーお約束。*1
まさにこれはとてつもなく大規模のブラック企業だにゃ。


心をこわしてしまうのは、ひどくつらいことですにゃ。
しかし
まともでにゃー状況で心をいため苦しむことすら否定する連中を前にすると、心をいためるのは権利だとすら言いたくなる。

*1:「希望は戦争」が浅はかなスローガンだというのはこのあたり。戦争においては「格差」が下のものは文字通り殺されるだけだ