ありもしない境界を強化するヒトタチ


http://a-gemini.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/2-43af.htmlを読んで、思いついたことをメモ代わりに。


リンク先で触れられている福岡伸一や団まりなの「できそこないの男たち」「雌が基本で雄は上乗せ」とかいった主張って、実は典型的なジェンダーの再生産なのではにゃーかと。


「自然/文化」の二項対立に「女/男」をあてはめるのは、少なくとも西欧文化圏においては伝統的なジェンダーのイメージですにゃ*1
福岡伸一や団まりなは、生物学を用いて伝統的なジェンダーを強化しているだけなのではにゃーだろうか?


多分、福岡伸一も団まりなも「善意」でやっている、自分は性差別を解消する方向で発言しているつもりなのでしょうにゃ。
しかし
例えばメリケンの黒人による反差別運動において、"BLACK IS BEAUTIFUL !"というスローガンが意識を転回するうえで一時的に有効であったし必要だったことを認めるとしても、あくまでそれは一時的なものでしかにゃーことも確かなことですにゃー。今でもメリケンの黒人が"BLACK IS BEAUTIFUL !"なんて抜かしているようでは、オバマは大統領になれなかったはずだにゃ。


専門家・研究者と目されているヒトたちが、生物学を用いてジェンダーを強化するようなものいいを、多分に善意でやっていることは頭が痛い。


生物学をダシにして、性とか種とかいう「境界」を強化するようなことをされるのはげんなりとしますにゃ。「自然」というものはもっとイイカゲンなものなのではにゃーかと僕は認識しているんだけどにゃー。
厳密な因果がニンゲンの頭の中にしか存在しにゃーように、厳密な境界もニンゲンの頭の中にしかにゃーのだろうに。

*1:「自然=女/文化=男」はユニバーサルなものだと僕は思うけど