戦前のような戦後の軍人と戦後的な戦前の軍人


もう非武装中立しか現実的に選択肢がない! - 地下生活者の手遊びへ追記してブクマコメに応答しようと思ったけどやめとくにゃ。
あれは、いわば「イヤミ・皮肉・アテコスリ」の類いだとだけいっておく。まあ、そう読んでくれたヒトも多かったようだけどにゃ。


さて、
http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20081105の論旨にはだいたい賛成なんだけど、違和感がぬぐえにゃーところがある。
たとえば


忍ぶ、耐える、黙って従うという戦前の美徳をまるで感じさせず、異様に声を張り上げ、政府の見解に文句をつけ、憲法に「関係ねえ」と挑戦し、


どこに出しても恥ずかしくない戦後教育の恩恵をたっぷり享受したアプレゲールな男だと思った。


追記。団塊世代が格別ひどいわけではなく、バブル世代も団塊ジュニア世代も平等に最低である。


このあたりにゃんね。


もちろん、戦前的価値観を称揚する当人が、戦後価値を体現しているという皮肉はとてもよいのだけれど、僕が疑問なのは、

  • 戦前には戦前的価値観が守られていたのか?

ってところなんですにゃ。


というのも、このタモガミくんの言動を知るほどに、旧皇軍のムタグチあたりを連想しちゃいましてにゃー。
wikipedia:牟田口廉也を参照のこと


このタモガミを戦後戦後とDISるのはいいけど、だったらムタグチなんてもっと全然「戦後の申し子」なんでにゃーの?
バカはバカであり、カスはカス、豚は豚、お花畑はお花畑であって、そこに戦前も戦後もありはしにゃーだろ。
問題はバカやカスや豚やお花畑が出世できるシステムが旧皇軍にはあったということだにゃ。
それが致命的だったんだ。
そして
その致命的欠陥を現代の自衛隊が引き継いでいることがわかっちゃったわけ。


これはユングがいっていることなんだけど

  • 我々は自らの欠点、自らの劣った点を逆に称揚しがちである

例えば、ドイツ人はドイツ的感情を称揚し、フランス人はフランス的知性を重視する。これは、ドイツ人の優位機能は思考で感情が劣位であり、逆にフランス人は感情が発達しているが思考が幼稚であることの裏返しであるとユングは言うんだよにゃ。
これは鋭い指摘だと思いますにゃ。


戦前の日本に即して考えると、あれだけ忠君愛国と騒いで、「生きて虜囚の辱めをうけず」とか国際法違反を兵士にふきこんでいたのは、日本人に忠誠心なんてものが欠落していたからなんでにゃーのかな?
実際に、日本軍が局地戦で絶望的な玉砕を繰り返していたのは事実だけど、いったん捕虜になってしまうと、ころっと敵だったものに尻尾を振りはじめるなんてことはよくあったみたいですよにゃ。


将棋の類いのゲームは世界中にあるけれど、日本の将棋はまた独特ですよにゃ。とったコマを、自分の手駒として使えるのは、確か日本の将棋だけではにゃーのかな。日本人ってのは、裏切りが大得意な民族であることがゲームにも表れているのではにゃーだろうか。
まあ、日本人が裏切るのは、恩知らずだからではなく、すぐに情にほだされるからだと思いますけどにゃ。母性原理ってやつね。


つまり

  • 戦前的価値というのは、逆に戦前の日本人の精神的な欠陥を示している

と僕は考える。


少なくとも、「戦前には戦前的価値観というものがあった」、ということと、「戦前には戦前的価値観が体現されていた」、ということとはまったく別の話ですにゃ。


ムタグチを筆頭にした戦前のバカ軍人どもは、「どこに出しても恥ずかしくない戦後教育の恩恵をたっぷり享受したアプレゲールな男」たちと言ってもよく、戦後生まれの軍人であるタモガミは、そうした戦前の軍人と同じような行動をしているということですにゃ。
つまり
何にも変わってにゃーわけだ。


追記。戦前世代・明治世代が格別ひどいわけではなく、団塊世代もバブル世代も団塊ジュニア世代も平等に最低である。
とかいったりしてにゃ(げらげら


戦前【だけ】が立派だったなんてことがあるわけにゃーんだよ。
絶対真理:スタージョンの法則により、「すべてのものの90%は屑である」のだから。