文書がないから、それは存在しない

ちゅうものがありますよにゃ。
これは、社会保険庁、つまりは腐れ役人どもの隠蔽体質とか無能とか誤魔化しが問題となっているわけだにゃ。うんうん、本来の責務を果たさずに保身をはかる無能な役人をバンバンぶっ叩くのは別に構わにゃーでしょう。

アタリマエといえばアタリマエのことを確認しておくにゃんが

  • 支払われた年金をちょろまかす輩もいたらしいけど、それは個人に責任が在ることはもちろん、組織にも責任がある。


役人ってのはホントにろくでもにゃーよな。ほっといたら保身ばかりはかって責任をとろうとせず、共同体を食い物にしまくりでどうしようもにゃー。官僚の言い分を鵜呑みにするのはアホだよね。
ところで、近代の日本という国家において最強の官僚組織ってどの省庁だろ?
その権勢のすさまじさ、かずかずの特権において比類にゃーのは、戦後の大蔵省というよりも戦前の軍部だったんでにゃーのか?
戦前の旧日本軍を実質的に運営していたのは、陸軍大学校(東大よりもよほど難しかったとか)を卒業した超エリート軍官僚の連中ですにゃ。軍隊って官僚組織の典型なんだよにゃ。軍官僚の無責任っぷりについては、例えば花園一郎、『軍法会議』その2 - Apeman’s diary


ちゅうわけで、官僚組織としての軍隊、という視点から例えば「従軍慰安婦(の強制徴集)はなかった」とかいう理屈を眺めてみるとどうなるか。

  • 従軍慰安婦の徴集は、日本軍がトップダウンで命令したことはないのだから、そうした文書記録は残っていない。軍組織は文書命令のないことはしない。だから(強制徴集された)従軍慰安婦などいない。

おいおいおいおい。
年金の記録を改ざんしろという文書記録は残ってにゃーよな。そういう文書記録がにゃーから、年金の記録はすべて正しいのだ、と社保庁の役人がいったら誰か信じるかい?
沖縄戦の集団自決強制にしろ、慰安婦問題にしろ、
「命令の文書がないから、そんなことはなかった。
 日本軍がそんなことをするわけがない」
という主張は、
「記録がないのだから、年金を払ってないのです。
 社保庁の役人が着服なんてするわけがない」
といっているのと同じ程度の理屈だということですにゃ。


それに
もしも仮に、社保庁が自分たちに都合のワリイ文書を焼却してしまったら、「俺は年金を払ってたぞ」と主張する人たちに対して、明らかな反証がにゃー限りは年金を支払う義務が生ずるんでにゃーのか?
この理屈が成り立つのであれば、
敗戦時のごたごたに紛れて旧日本軍の軍官僚どもが大量の文書を廃棄した事実からして、自称元慰安婦の人たちに対して日本政府は補償義務が出てくるんでにゃーの?
このあたりの法的理屈はよくわかんにゃーけどね。


まあとにかく、「命令文書がないから、従軍慰安婦は、南京大虐殺は、沖縄集団自決の強制は、なかった」という立場のヒトタチは、官僚のタテマエを全面的に肯定するヒトタチということになりますよにゃ。役人の保身を真に受けるのは賢いことだとは思えにゃーけれど、まあそれはそれでしょうにゃ。
そしてこの立場のヒトタチは、きっと社保庁に対して何の文句もいってにゃーはずだ。
「記録がないのだから文句をいうな」
社保庁の役人さんがそんなことをするわけがない」
きっとそういっているはずなのだにゃ。