♀は数学が苦手か?・補足

以下は昨日のエントリの補足
昨日は紹介しきれなかったけど、この囲み記事には他にも興味深い記述があるので、ご紹介ってことで。

  • フィリピン・トルコ・ロシア・アメリカ合衆国では19世紀末から20世紀初頭の方が数学者の中の女性の数は多かった
  • ワイマール時代のドイツは11人もの女性が私講師となり、その内2人は数学者だったがナチにより追放された
  • トルコではケマル・アタチュルクの近代化運動により、理系の教授陣における女性の割合が25〜40%にまでのぼったけれど、最近は女学生が理系分野を選びたがらない
  • フィリピン大学の数学科の教授は70%が女性
  • 1990年に京都で開催された国際数学者会議へのインドの代表団の40%は女性だった。インドでもっとも良い大学のいくつかの数学科の学科主任は女性。
  • 中国では数学分野における女性の比率は比較的高く、日本ではとりわけ低い
  • 開発途上国の多くでは、先進国に比べて数学分野での女性の割合は高い


まあ、ちょっと古い統計資料に基づいた記述だけど、いろいろと興味深いところはありますにゃ。現代のほうが20世紀初頭より女性数学者が減っている地域がけっこうあるとはにゃー。
日本で女性数学者の数がとりわけ小さいというのは、例えば男性の賃金と比べた女性の賃金が、男尊女卑といわれる韓国よりも低い水準に抑えられていることと関連がありそうな気がするんだけどにゃ。
♀が理系、特に数学には向かない、という男脳女脳とかいった脳科学を装った俗説は、タワゴトあるいはジェンダーの刷り込みであると考えていいのではにゃーでしょうか? 生物学を使った性差別はウジのようにいくらでも涌いてくるものにゃんなあ。♂と♀が本質的に違うという生物学的本質主義とでもいってよい受け取りかたをされるようになったのは、じつは近代のことだという話がありますにゃ。17世紀以前のヨーロッパでは、男性性器が身体の内側にめり込んでいるのが女性性器だと思われていたという話もありましてにゃ。近代以前は男女に本質的な差、生物学的な差があるという受け取り方はされてなかったのだと。