馬鹿は矛となり盾となる

「代返」いただきましたー

前回エントリにトラバをいただきましたにゃ。

「GET27さんがどのような考えをもっているのかはわかりませんが、このまま放置して規制反対派が反論できない人ばかりだと思われるのもなんなので、質問の(1)(2)の部分だけ代わりにお答えします。」
とのことで、僕の「戦略的」ミスをわざわざご指摘くださるというありがたいお話ですにゃ。
「返信は不要」だそうだけど、内容次第ではそうもいってられにゃーですよ。


まず、おさえるべき基本事項からの解説からしてくれてますにゃ。親切設計。

うん。具体的な権利侵害の有無で区別するのは当然にゃんね。

  • >2、法規制をする場合の、閣法と議員立法の違い

にゃるほど。内閣法制局における厳密きわまる立法と、法的には杜撰なこともありえる議員立法ということにゃんな。承知しましたにゃ。

  • >3、今回の創作物規制において業界側に自主規制を迫るやり方

にゃんとまあ。「(アホ議員が立法するのでいい加減でもどうにかなる)議員立法の可能性をちらつかせながら自主規制を迫ったのが、基本的な構図」だったんか。
権力のある馬鹿を盾にとって議論を封殺かー。馬鹿は最強の盾にゃんねえ。
確かにこりゃヒデエものですにゃ。
馬鹿議員立法コワイよー(しくしく

応答の中身

で、このあたりをおさえたうえで、僕の質問に答えていただけるとのことですにゃ


1)「こういう議論」って、どういう議論? その典型例を指示してくれにゃーかね?


→「差別」と「差別を助長する創作物」は対立利益が違うため、他者の権利侵害のあるなしで分けて考えるのが基本中の基本。その境界線を曖昧にしようとする議論。私個人は tikani_nemuru_Mさんの立論は政治的な議論だという事は分かっていますが、法律に慣れていない人や規制したい人達は、そこを曖昧にして法規制に向けた根拠の一つとして理解するのではないかと思います。


えーっと、僕がいっているのは性犯罪被害者の二次被害・三次被害において、人権侵害がなされている、というものにゃんが、それに対して「他者の権利侵害のあるなしで分けて考えるのが基本中の基本。その境界線を曖昧にしようとする議論。」と指摘するということは、

  • A)性犯罪の二次被害・三次被害においては権利侵害は発生していない、とのご主張ですか?


2)で、なぜそれを控えるべきなのか、説明してくれにゃーかね?


→閣法での法規制ならば内閣法制局憲法解釈をクリアできないので、境界線を曖昧にした人権制約立法は導入される事はありませんが、議員立法ならば適当な法理でも規制できてしまう可能性があるから。現在、国会では児童ポルノ法に絡んだ創作物規制なども議論されていますが、そういった事に正当性を与えるような議論は、結果として法規制に向けた後押しとして機能します。


これは(1)への返答である「法律に慣れていない人や規制したい人達は、そこを曖昧にして法規制に向けた根拠の一つとして理解するのではないか」ともつながっている主張ですよにゃ。
要するに
「僕は君の議論を理解しているが、馬鹿が誤解して馬鹿議員をかつぎだし、馬鹿議員立法に使われるからよくないよ」
ということにゃんね、にゃるほどにゃるほど。
確かに僕以上の馬鹿がこの程度の理屈もわからずに、僕のつたない議論を誤用することもあるかもしれませんにゃ。馬鹿は最強の矛となりますからにゃー。
馬鹿議員立法コワイよー(しくしく



というわけで、質問B

  • B)seijigakutoの「代返」の理路は、警察官僚が業者に自主規制をおしつけるのと同じ理路ではないのですか?

両者ともに馬鹿議員の馬鹿議員立法を矛あるいは盾にして恫喝し、相手に自主規制をせまるというものに思えるんだけどにゃー。申し訳にゃーが、こういう矛盾した話にはのれにゃーんだが。


戦略のようなもの


tikani_nemuru_Mさんの立論は「差別問題」を考えるための枠組みであって、法規制を防ぐための枠組みではない事だけは指摘しておきます。


質問Cいきますにゃ

  • C)差別問題を十分に考慮せずに、表現の自由を主張することが戦略として正しいと考えますか?


ちなみに僕の考えている「戦略みたいなもの」は

  • 性差別を考慮することによって、この問題を法規制しても無意味、あるいは逆効果であることを示すこと
  • その際、差別問題を矮小化しない

ですにゃ。
公権力に規制能力がにゃーことを論じた差別する側としての公権力(追記アリ - 地下生活者の手遊びにしても、本当の敵は世間様であることを指摘した法規制になじまない人権侵害 - 地下生活者の手遊びにしても、そういう文脈で考えていることにゃんがねえ。


罰則を科す規制によって差別問題が好転するとは考えてにゃー。ヨーロッパのヘイトスピーチ規制にしても、あれはいわば緊急避難的にディスコミュニケーションを法制化したものとして仕方にゃーのかもしれにゃーが、どうも賛成できにゃー。
差別問題を法規制してもろくなことにならにゃーと考えるうえに、個にゃん的にいって性指向/嗜好についてお上に口をだされるのには寒気がするにゃ。


性について権力がクチバシをつっこむことを僕がどれだけヤバいと思っているか、エントリのひとつやふたつでは説明を尽くしがたいくらいですにゃ。